やさしいレントで/モーヌ。
ひかりが あたたかく もてなす 見えなかった ものへ
ぼくに 捕らえられた リズムが かげろうと 背伸び して
天の くちびるの 相似形に 触れようと ふるえた
それが ひとぬりの なかで そよ風を
捕らえること と いうかの ように
ふだんの ようすで
永久(とわ)では なしに
ふら ふら と ただよう
梨たちの 果樹園の 満ち 焦がれた 空の うえの
五線紙の 白い 小みち で
果実の ひとつと 音と なる
きょうの ひすいの 時を 打ち 立てて
花の 露が 流れ 流れて 尾を ひいて
吹いては 流れて また 動いて いった
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