やさしいレントで/モーヌ。
見えては いなかった...
かっこうの 産声が 森を 編み
絹糸を 伸ばして 進み ながら あおいで いた
どうしようもなく あかるい 双眸の 記憶の 波が
茫漠とした 未来から あふれては 押し よせたり
こわばった 笑いの 主調音は ずいぶん
遅れて ぱらぱら と やって 来ては
ぱらぱら と ついて いったり
移り変わる 雲の 影は しばし 森と かさなり
夢中で 逃走して 過ぎて いった
現在(いま)は ひややかに 沈黙 する けれど
( きょう... ) ピアノより ひそやかな 音の たまごは
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