ピンクの木馬/なかがわひろか
ピンクの木馬に乗ったのよ
とがってて
おしりがとっても痛いけど
とびきりピンクが
好きなわけでもないけれど
ピンクの木馬に乗ったのよ
不思議の国の入り口で
王様の目をしぱしぱさせるから
入場を断られたけど
不思議の国にも
おじさんにも
とびきり興味は
ないからさ
はいやあはいやあと
お姫様のドレスを盗んで
ピシパシおしりを叩きながら
ピンクの木馬は跳ねていく
腰が少し疲れるけれど
耐えきれずもらす
鳴き声が
なんだかとっても愛しいの
(「ピンクの木馬」)
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