詩人はもっと世に出なければならない/山崎 風雅
 
が夕食をおごってくれた
 口はわるいが、心のいいやつだ
 仕事の愚痴を聞きながら
 しばしの友好を確めた

 所々で垣間見せる僕の不埒な過去の産物
 今日はベルはならない
 そのほうがいい

 独りを感じ
 独りを味わい
 独り言葉を探して

 見つけることの出来ない時には
 休むことにしている

 どんな場面でも
 切り裂くような言葉や
 空気を変える言葉がある

 詩人はもっと世に出なければならない
 理屈ではない
 体温を感じる言葉を
 この世に残していかねければならない

 傍らの猫は伸びをして
 今日もまたその息吹を俺に伝えた

 荒れ狂う海原に
 溺れないように沈まないように

 逃げも隠れもしない
 
 そう
 情熱を含んだ輝く言葉の後に
 今日もどこかで奇跡がおきてる

 
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