秋空恋慕/Denial
 
秋の夕暮れは、見ているだけで、何だか不思議な気分になってくる。

春のそれとも、夏のそれとも、冬のそれとも全く違う、不思議な、それでいて美しい色。

この空の下で君は――――僕は、何を思うのだろう?


***


一体なんなのだろう。

昨日から考えるだけで頭がポーっとする。

何も考えられない。




一体なんなのだろう。

この僕の体を突き動かそうとするものは。

抑えよう抑えようとするのだけど、幾度となく僕は揺り動かされてしまう。



一体なんなのだろう。

僕の喉の奥になにかつっかえてるような気がする。
[次のページ]
戻る   Point(1)