さびしんぼう/さくらほ
さびしんぼうは
自分にふたをして
こみあげる感情を殺し
涙を流さない
自分まで騙している事を
自分で知っている
本当はね
さびしんぼうは
今日も道端のあちこちに
一つ二つと落ちている誰かの孤独を
探して立っている
自分の孤独と比べては
目を伏せる
比べてもどうにもならぬ事をわかっている
本当はね
夕日がうすぼんやりと
さびしんぼうを染める
長く美しいまつげに彩られた
切れ長のその瞳
明日は何を見るだろう
さびしんぼう
「愛なんて」と言いながら
愛を探している
さびしんぼう
愛はもらうだけじゃなくて
愛は与える事もできるんだよ
さびしんぼう
さびしんぼう
誰かのかたち
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