獣の眠るかたわらで/atsuchan69
 
 午ちかくにもなって
太陽が燻されるように見え隠れする、
いたるところに立ちのぼる煙の墓標/廃墟となった街に
  なきさけぶ声、
 地上を這い回るかのような
低く呻く「うううう・・・・という響き
 破壊された建築物の瓦礫がおおう、無惨なかたち
人形の髪が抜け落ちて 
             つぶされた顔。
 やがて立ち上がった人の
あたかも影のような群れがあてどなく
さまよう明日に
 ただ、生きるため
――許されたのは、「獣の暮らし。

 あるいは、
偶像がふたたび生贄を求め
狂ったように貢ぎつづける
壊れた弱者どもの自動化された祈りが
「ぎゃーぎゃー
 
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