永遠のうたたね/大覚アキラ
ここ
からはじまって
そこ
に辿りつくまでの
永遠のような
一瞬
瞬きひとつよりも
ずっと短く
宇宙の歴史よりも
はるかに長い
ここ
からはじまって
そこ
に辿りつくまでの
永遠のような
一瞬
ソファの上で
丸まった猫が
大きなあくびをして
もう一度眠りに落ちる
ここ
からはじまって
そこ
に辿りつくまでの
永遠のような
一瞬
バスタブの縁には
いまにも溢れそうなお湯が
波打ち際のように
打ち寄せている
ここ
からはじまって
そこ
に辿りつくまでの
永遠のような
一瞬
もうすぐ
そこに手が届きそうで
わたしはゆっくりと
眼を閉じる
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