つばくろ/
ピクルス
には濡れないと思うこと
そうじゃないそうじゃない
最後の硬貨を握り締めて
広場の水道で
がぶがぶ飲む
水を、もっとたくさんの水を
言い損なって
聞きそびれて
いらくさを着るようになった
宥めてもなお燃ゆる望月は
街中の猫と犬を集める
よもすがらむせぶチグハグの
縫い針に謝っては
一匙ずつおすわりさせて
ウミネコの鳴かぬ海に返しておくれよ
ひとつとしてまっすぐのない海岸線から
また帰り道が始まる
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