ゴミのない国で リターンズ/佐々宝砂
 
に貼りつきました
すわり疲れて立ち上がると
裸足のあしうらにたくさん棘が刺さりました
長いことすわったままだったおしりには
半ば溶けたカレンダーの花畑の写真が貼りついていました

私はそうしたことみんなが大好きなのです
ゴミのないこの国が好きなのです

だのに
突然

ああ どうか お願いです
そんな無体な命令を突きつけないで下さい
そんな恐ろしいことは二度と言わないで下さい
あの愛は終わったのです
とろけた白菜の外皮をてのひらにとって
優しくお互いの頬を愛撫した夜は終わったのです
それはわかっています
でも
終わってなおあの愛はやっぱりゴミではなくて

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