押入れインディアン砦/銀猫
 
古く狭いアパートメントの2階に
インディアンの砦がある


そこは彼らの最後の砦で
敏腕の保安官に制圧され
ほとんど壊滅の状態に陥っていた

四畳半のあちこちに生えたサボテンの陰や
キッチンの僅かな床に這いつくばりながら
距離をじりじりと詰めて
彼らの命運を賭けた最後の闘いが始まる

スリッパの蹄の音
枕のボディーブロー
丸めた掛け布団に背中を沿わせ
保安官は勇敢に立ち向かう

インディアンたちの馬が嘶く

  ヒヒヒーン!!

前脚を高々とウイリーさせ
士気を高めた彼らは
立て籠もる保安官目がけて
一斉攻撃を開始した

  WHAOOOOO・
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