潰しイチゴの練乳和え/atsuchan69
 
   一

 さあ、食べるんだ )))

黒いベルベットの目隠しが
 君の自由を、覆い
与える匙の 潰しイチゴ。
 ――甘いだろ?
 海のように ただ果てしなく拡がる、
 波打つ絹のシーツに零す (拒絶と救い

やがて唇を窄ませて
咽喉をすぎてゆく 緩やかな従順


   二

 たった一匙のデーザートに
 君も僕も 無常の歓びを覚える
 ハウス栽培の女峰苺と
             練乳」
 
 切刻まれた、
 ブラインド越しに漏れる 冬のひかり

一秒、また一秒と
 短針の
     鞭のように叩く 音


   三

 さあ、
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