世の果てに/なかがわひろか
 
辿り着いたよ世の果てに
走りながら立ち止まりながら
疲れ切って時に歩きながらも
辿り着いたよ

世の果てはとても温かい

知らなかったよ
いつもただ付き従う
従者のように
後にいたから

こんなに温かいなんて
知らなかった

世の果ては
とても小さいけれど
とても華奢だけれど
触っているだけで
ただただとても
温かい

そんなあなたの
背中

そっと
愛おしい我が子の顔を確かめるため
振り向いた
その
瞬間に

世の果ては
世の始まりへと
変化する

(「世の果てに」)

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