詩友への手紙 〜僕とあなたの間に一篇の 詩 を〜 ’06・11/12/服部 剛
の「無色の人」に感じます。
僕が今日書いた「夜道のふたり」という詩も、ふらつきながら家
路に着く老夫婦の後ろ姿をみつめる「無色の人」のまなざしで書い
た詩であり、そう考えると姿の見えない「無色の人」は風のように
何処にでもいる存在のような気がしてきます。
今、この手紙を書いている僕と、読んでいるあなたの間には「無
色の人」が立っており、僕達に何かを語りかけている気がします。
何気ない日々の中で、風になった「無色の人」が密かに吹き抜け
る時、そこにどんな詩的な情景が広がっているでしょうか?
今日は僕の手紙を読んで頂き(僕の向かいの席に来てくれて)
ありがとうございます。それぞれの日常でささやかな詩情をみつけ
たら、また深夜のファミリーレストランで向かいの席に座り、僕と
あなたの間に一篇の詩を置いて、語らいましょう。
* 永瀬清子詩集(思潮社)より
カタカナを平仮名表記に変えて抜粋しました。
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