短い紀行文/光 七清
 
サイズは、おいていないようだった。
そこで、パラソルを片手にスケートをしながら、
ゴルフに夢中なおじさんたちを追いかけた。

あまった時間は、大きい蜘蛛や小さい蜘蛛をつぶすのにつかった
踏み潰したり、すりつぶしたり、指でぺしゃんとつぶしたり、した
節足動物だからね、ちょっとごわごわして、かすかに殻の弾力を指に感じるんだ。
そのあと一気に、プチっといくの。
その手触りが、大嫌いだ。
だから蜘蛛は足でつぶす。
一匹ずつ、丁寧にね。
天道虫だって蜘蛛だって、死んでしまえばそれだけだけど、
可哀想な蜘蛛もいるし、憎たらしい蜘蛛もいるからね。
まとめてつぶしてやれば、区別する必要も無い。

おなかがすいてきたときには
コンビニで、おにぎりをかった。
たいていのおにぎりは逃げ出して、どぶ川におっこちた。
僕だって馬鹿ではないので、落っこちる前に捕まえて口に詰め込んでやった。
落っこちたのは多分、鮭マヨネーズだったとおもう。

それからドアを開けて、家に帰った。
今日のカーテンは桃色だったけれど
だからって格別、いい夢がみられるわけでもないんだよ。
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