「 あたしのあだしのくん、一。 」/PULL.
 
だしのくんのまわりには、
いつも人がいて、
みんなあだしのくんを求めてる。
だけどあだしのくんが求めるのは、
あたしだけ。

あたしといるときだけ、
あだしのくんは、
ただのあだしのくんになる。
ただのあだしのくんは、
あたししか知らない。

あだしのくんは、
そういう恋人である。
そういう恋人であるあだしのくんは、
あたしのあだしのくんである。
なのであたしは、
あだしのくんの恋人なのである。












           了。


戻る   Point(11)