散歩/ANN
 
期待に胸を膨らませて
それを抑えながら
…抑えることが嬉しいって具合に
呼び鈴を鳴らすのね

ちょっと歩こうかって
まるで車に何かが充満するのを
恐れるみたいに外へ出て
髪をちょっと触ってみるのね

鳩なんかがいて
私が珍しがってそれを見てたら
何故かあなたは優しくこっちをみてるのね

車とか電車とか 通って行って
この人の手段の群れはなんなのだろう
って思っていたら
結婚式した友達のカミサンの
面白おかしい失敗談なんかを話すのね

帰りに猫なんかがいて
私よりあなたが先に手を出して
威嚇されてたりして
でもあなたはまだ
必死に追いかけたりしてるのね


何をしてるのだろうって
思っていたの
あなたを見ながら

現実と空想の間に居る私に
あなたはただ
おいでって言ってるのね

私にはそう聞こえるの
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