パトリオット/山崎 風雅
ある日のことだった。朝、手早く身支度を整え、出かけて、現場につくと妹から携帯に電話がかかってきて、家が燃えてると連絡があった。信じられないことだった。すぐさま、自宅に戻ると全焼、しかも隣りに類焼していた。原因はタバコの不始末だった。
さすがに観念した、この責任をとるために死のうかとも思った。家族は病気が原因で火事を起こしたと考えた。私も逆らわなかった。医者の診察を受け、やはり、統合失調症と診断され、2度目の強制入院。
今回は反省の入院だった。多くの迷惑をかけた人々に謝罪の気持ちで一杯だった。病状はひどくなくて、安定していたが、強迫神経症が私を苦しめた。住む所が決まるまで、3ヶ月間入院し
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