赤い山肌/
杉菜 晃
山肌が幅広く剥落して
日に晒されてゐる
真昼時は
まだいいとして
日が傾いて
夕日の色が
濃くなるにつれて
幅広の滝が
血を流してゐるやうで
痛ましい
村はこの風景と共に生き
ほかにこれといつた
景観を持たない
日に数本の列車が
通過する
夕方ともなれば
乗客は片方の窓に寄つて
赤い山肌に
目を貼り付ける
ときどき鳥が
緩急をつけた飛び方で
血の滝に吸ひ取られていく
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