ごみの日/はらだまさる
壊れた自転車が
冷たい雨に打たれて
泣いている
さっきから
何を君は耳打ちして
探しているのだろう
切れたブレーキワイヤーが
大地に触手を伸ばす
生き物みたい
五分後には
雨上がりのお日様に照らされる
子供が遊べない公園
寂しさは孤独じゃないと言う
本当の孤独は
夢の中にいるとき
我武者羅に
走り抜けているとき
寂しさに気がつかないとき
数えてごらん
棄てられた車のタイヤを
足の折れた机を
脱ぎ捨てられた靴下を
音を奏でない楽器を
読まれない書物を
言葉を知らない
痛みを忘れた君の声を
濡れた指先を
(僕が放り投げた炭酸水を、足元に零した君が奇麗にみえた)
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