その手を/ウデラコウ
 
ずうっと握っていて頂戴ね
って約束する前に


貴方は 風に乗って 消えてしまった


それは必然であり 偶然でもあった


貴方は本当の本当に 偶然と思っていたかもしれないけど

あたしにとって それは 前からわかってた必然だった。



ウソで塗り固めてたんだ。
結局のところ

そんなもの直ぐにでも崩れちゃうってわかっていたのに

お互いがお互いを騙して
さぁ種明かし。

ほら、幻滅する 君の顔
今まで見てきた中で 一番リアルだよ

さぁ お引取りの お時間です
もう夜が明けてしまう

一夜の幻燈会は 幸せの余韻を残したまま
永遠に 封じてしまいましょう

それが せめてもの 餞

あたしたち 道化に 許された
唯一の 贅沢


ほうら あのコ達は 今もなお
幻だと気付かない


永遠に ハコの中 夢を見続けるの
それが幸せか不幸かは
彼らのみぞ知る   空中楼閣

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