小詩集【ルナ区の片隅で少年少女は】/千波 一也
 
というかたちだ

もとめるこころが
あまりに
過剰になったとき
罪は
かなしく
約束を呼ぶ

まっすぐな想いに
運ばれてゆく
真白き鳥よ
おまえの異国は
どこに待つ

片隅から
片隅へ
情愛も讃美も宣誓も
いのちを
守るために
すがたを変えながら
遙かな脆さは
遙かに
続く

約束はいくつでも

真白き鳥に
運ばれてゆく想いよ
おまえの異国は
どこにでも

伝えたいことがある
ちいさな窓から順番に
めぐりつないで
輪となるように





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