行進する足踏みもそぞろなる/nm6
白い膜につつまれたぼくらひとりひとりの行き先です
集まっては蒸し返す光の束を
黙って見ています
わざとらしく いまはただわざとらしく
斜め上からの眺めですが
パレードを想像します
ぼくらは互い違いに並び ここぞと突付きあっては
葉脈のように枝分かれていくのでしょう
行進する足踏みもそぞろなる そのまま
出会う人と別れます
風邪をひくのは何百回目でしょうか
こうして いまはただこうして
眺めている目の前の出来事です
それぞれにつまずいて ドミノ倒れるパレードの
消えてゆく道すがら 身震いの数を数えます
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