でたらめな星の水族館/たりぽん(大理 奔)
くぐり抜けていく
いつも裸足だ
闇のそばでは
どうして自分だけは
かわらなくていい、などと
つぶやいていたのだろう
ああ、それはちがうよ
タングステン
熱で溶けにくいからこそ
明るく輝く
焼き切れる刹那に
誰よりも明るく
マンホールを踏み抜いて
本物の夜を手に入れる
冷たい手が触れたときに
はじめて気づく体温に
うなされる朝が来て
包み隠す、いつも
裸足だ、闇のそばでは
自分勝手な結末を強要して
時間がくれば消えてしまう
くだらない星座達のフィラメント
でたらめな空に
君が指し示した
透明で巨きな水槽に
ひときれの海月(くらげ)の
かすかな
、体温
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