花魁【其の二】/ごまたれ
 
髪の結い方を変えても
着物の着こなしを変えても
男どもにはわかりやしない
あからさまに卑猥な匂いを漂わすだけ
今となっては
その匂いに心地よさを感じているのだが

手形や金額が刻まれていそうなこの体
こすっても
こすっても
浮き上がってくるあざのようなもんだ
たかがこの店の一番だ
世界の一番じゃあるまいし

いまさら
足を開くことすら知らなかったあの頃に
戻ろうだなんて
そんな安い夢を見たいわけじゃない

これは涙ではない
男と繋がるための武器だ

皮肉なもんだと薄笑いを浮かべれば
その顔が美しいと男どもは手をたたく

そんなときは芯を打ち込まなけ
[次のページ]
戻る   Point(3)