会計的な詩/イダヅカマコト
 
のか
自分の元手か
それともこれから先返さなければならないものなのかを
あくまで目標にそって見定めなければならない
それができないときは
「あなた」を目標の中から必要ないものとして打ち消してしまうか
「あなた」をたくさんあるなかの一つの「恋愛」として数えるか
それとも今すぐに別のものを作り出して「あなた」を使い果たす必要がある
それは例えば詩でもいい
2839.2+369を回収して
少し切ない詩が200でも残るなら
それを新しい元手として僕は数えなおすだろう
回収できなかった分についてはなんらかの形で数えなおすことだろう
複式簿記は近代の宝だと言ったのはゲーテだが
それは詩に無駄がないことを僕らに教えているのだ

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