夢中/肉食のすずめ
朝が来ない
くらい夢が覚めない
フリルの服を着た
残酷な力を持つ
太った女
私の脳をすくう事に夢中
私は正座の姿勢で耐えている
同じような正座の人々が密集する
この部屋で
私に興味が失せるのを待っている
同じ頃
私の家の前の電柱
それは昔私の母が
金色に塗った
白い小さな花の絵も描いた
母は日がな一日
その電柱を見て過ごす
今ではすっかりそうだ
ところで
電柱の中には実は
弟の首が五つ埋められている
もちろん作り物
本物は埋めた男の腰に
ぶら下がっている
そんな電柱
母は眺めつつ
私の首を折る思考に溶けていく
人々が歩き始める時間
まだ朝
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