エーロゾル/はらだまさる
 
レイヴン、
世界中の路上で光に触れたいとせがむように沈黙する
ミケランジェロのための小石に、
ピコピコというコンピュータ・ミュージックが
感覚を麻痺させて錯乱する精神の繭に
内包した人間の最後の尊厳で、
内臓と云う内臓、血液と云う血液を絞り尽くすように、
グローバリズムと云う巨大な牛に追われた人類の
足枷のような高度資本主義社会に渦巻く裕福なるものの虚栄と、
平等を振り翳す大衆の陰に潜む嫉妬、
不純な正当性が罷り通る殺戮、
その全てを増殖する貧困と無意味な禁止とが、
この星の夜空からペガススやアルクトゥルスを奪い、
鮮明で健全なる希望を、
その切望を濁して
甘き死を批
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