リチャードカールソンは言った/ごまたれ
リチャードカールソンは言った
期待を捨てれば
自由になる と
あたしは頷いた
自由になるためなら
何でもする と
けれど彼は言った
自由になれるという希望が
また期待でもある と
あたしはうなだれた
まだこの道は続くのね と
リチャードカールソンは言った
物事はすべて
壊れたものとみなせ と
あたしは
泣きはらした顔を上げて言った
あたしが望むものは
何よりも強いものだから
結局は無理かもしれない と
彼は残念そうにため息をついた
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