そして小さなワルツ/キメラ
 


あるきつかれた鄙びたモーテル
きみは背のたかいテーブルと椅子に
ぼくはその向かいから
きみをぼんやり眺めていた
ふるい鉄マドから差し込む
外界のひかり
照らされ
スパゲティーを丁寧に口にはこぶ
しせいのきれいなきみないた

どうしたの
えいえんの絵画よ
長年月が瞬間にあふれだし
その可憐
回帰しきった面持ちに
この数年の壮大なイマジンが
無意味にかわった

浄化する涙

嘘すらたよりにはならず
天使以外ではなく言葉は虚しかったから
ひかりに呑まれてしまい
だきしめるたび死にたくなる
この
音のない部屋で
生かされた真実が
やがてふりか
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