許容/ロカニクス
にもおやすみを言わなかった自分を許して訪れる眠りを許す
朝を待つことを許す
ひとつずつ許していくのは面倒くさいと感じる自分を許し
これはとても大事なことだと思いなおす自分を許す
天気が晴れ三曇り七の割合であることを
洗濯物を干そうかどうか迷っている数え切れるかどうかの数の主婦達を
雲の切れ間からの太陽光もそれに騙され破壊されていく車も車中も許す
道端でうるさく泣いている子供を鬱陶しそうに眺めて通り過ぎる大小の人々を
心配そうに眺めて通り過ぎる小大の人々を優しく声をかけるたった一人を
許す
その間自分がただ許すのに夢中になってたことを許す
誰かが捨てきれずにいる憎しみを許し
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