軌道/葉leaf
 
小さな点の上に静止することで
僕は歩いてきたのだろうか
足と足の踏んできた土は
目の前にうずたかく重なっている
軌道のつぼみは空間の針の数だけ
落とされては拾われてきた
つぼみはいつか
朝の舌として開花するのだ

僕の軌道は
無数の筆跡が点在する
巨大な岩である
巨大な殺戮である
糸のように伸びた季節と交わって
打撃する
改組する
僕の生まれた日
季節は季節とつながれた
僕の死んだ日
季節はひとまわり太くなった

季節が苔を張りめぐらせるように
苔は季節を張りめぐらせる
山脈の
絶望の
月光の
老いたすきまを埋めるため
苔の軌道は空間の膣を侵略
[次のページ]
戻る   Point(4)