森の循環/ぽえむ君
 
湿った土を踏みしめて
森の奥へと道をゆけば
森の出来立ての酸素と
自分の使い果てた二酸化炭素は
ここで交換されてゆく

時折り光る木漏れ日を
泉のように手ですくい
そこに生まれる光と
夜にうずくまっていた暗闇は
ここで交換されてゆく

水と空気の循環の中で
明と暗が
ここで入れかわり
黒かったものは白になり
やがては透明へ
ついには輝く

光と風の循環の中で
動と静が
ここで生まれ変わり
点であったものは広がり
やがては翼を伸ばし
ついには羽ばたく

新たな生へと世界を舞う
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