イノシシが知事公邸の裏庭を駆け回る/あおば
 
けの明星に
甘えているのは
辺り触らずの僕




 白粉花

肝の据わった知事さんが
ピンクの混じった
白粉花を眺めて
ぼんやり座っている
午後の4時
イノシシの親子が
黙って山に帰っていく
そんな
話はないだろか
あったらいいね
杉木立




 蝶々


イノシシ武者ならぬ
イノシカチョウに負けた
進学校

行進曲を吹き鳴らす
高校生の一団は
朝から晩まで
疲れることなく
練習をしていた
うちでは
履修漏れなんて
絶対にないのだと
校長先生は
胸を張る



 秋日

エネルギーを内蔵したマシンには敵
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