イノシシが知事公邸の裏庭を駆け回る/あおば
猫の子
暢気に
歩いてく
なめすぎた
手足を引っ込めて
片袖を風になびかせて
夕立のように
跳ねてった
イノシシの仔
猫の仔
鬼界ヶ島に
流されたという
俊寛
高橋さん
隣家の高橋さんは
亡くなってから20年が経つのですが
毎日元気な子犬を連れて
散歩に出かけます。
奥さんは最近始めた
趣味の俳句で忙しそうです。
今日もいそいそと吟行に行きました。
退屈している
子犬たちは
バウバウと吠えて
なにも知らないで
通る人たちを
驚かして
何食わぬ顔して
歩いている
高橋さんを守るんだ。
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