眠れない夜/ごまたれ
眠れない夜を
いくつも乗り越えてきた
思い出と傷を抱えて
何度も足元をすくわれなかがら
それでも乗り越えてきた
救われることなんか
ちゃんと願えないくせに
夜明けが来ることに
涙が出るほどほっとしている
夜明けに願うのは
思い出が 傷が
早く心地よい痛みになるように
愛して止まなかったあの時間を
少しでも綺麗にしてあげられるように
そのためなら
どんなに眠れない夜でも
どんなに願うことすらできない夜でも
大人にもなれない 子供にも戻れないこの時間を
逃げずに戦える気がする
今日も
思い出と傷を抱えて
少しの勇気と気丈さを足してあげて
眠れない夜を迎える
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