蜂男/ミゼット
 
めに忙しい
振り返ったら彼の頭がなくなっていたの。


*
蜂男は全部が蜂でできている。

顔も、身体も、腕も足も
ぜんぶぜんぶが蜂でできている。

はじめてあったときにわたしは聞いた。
「あなた 本当は花なんでしょう。
 でなきゃ 蜂が集まるはずが無いわ。」
彼は言う。
「花ではないよ。ただの蜂なんだ。」
わたしは言った。
「嘘よ、嘘。」
そしてわたしは蜂をかき分けて花に触れようとした。

茎はなくて、空が見えた。
それから腕に熱が走った。



*
蜂男は全部が蜂でできている。

顔も、身体も、腕も足も
ぜんぶぜんぶが蜂でできている。

それがわたしの素敵なこいびと。

ぜんぶが蜂の素敵なこいびと。
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