Vampire・Kiss/愛心
 
ある夜のことだった。
僕の家に、闇色のコートを着たあの娘(こ)が来たのは。

彼女の歳は、僕とあまり変わらないような気がした。
僕はホットココアを渡すと、彼女の手に握らせた。

「ありがとう」
彼女は小さな声でそういうと、ココアを飲みはじめた。

「君、名前は?」
「ないよ」
「歳は?」
「160歳」
「・・・ふざけないで。どこに住んでるの?」
「いろんな所。決まってない」

僕は彼女が冗談をいっているとは思えなかった。
恐る恐る尋ねてみた。
「君は何者?」
数秒の沈黙のうち、彼女がぽつりと
「バンパイアの生き残り」といった。



「・・・そ
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