六崎氏にささげる散文詩 /奥津 強
俺が、音色であれば、彼は、天使になりえたものを。
旭日は上がる。どこへでも。全ての人々のやつれた眼孔に落ちる太陽の醜さよ。そう、だから俺は太陽が好きだ。
孤独は、行ってしまった人さ。なぁ、お前。
孤独は、全員の人間が、寝静まった虚無さ。なぁ、お前。
又、膿む。俺の肌から出るこの薄汚さは、完全な泥だ。草原を行く者は嘘だろう。そう草原なんてない。泥も草原からは生まれない。
なぁ、お前。太陽を見ろよ。あの、滑稽な太陽を。歪曲した太陽を。
天使が癒すものは、大海に沈む太陽だ。俺は、老廃する。老いた俺は、錠剤を飲む。白痴の人になってしまった。
ああ、そうだ。
孤独は死じゃない。孤独は死じゃない。
孤独は生きる事だ。だから、生きる事を止められるか? どんなに落ちぶれても。どんなに成功したとしても。
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