汚染種八百/黒川排除 (oldsoup)
祖母はオレンジの光五つ隠し子守唄
昆虫の手足やわらかくかくかみなり
窓に映った雲にさらに窓が映りまたね
逆光に蠢く老人らのゲートボール
なくなるまで月から灰が降り続ける
死にゆくばかりの手の内埋める倒立して
一個の街が停電で書店だけ開く
ガレージそばで軋みだす妻の三輪車
もやからようやく爪先見えて少年期
無垢も手段跡形もなく口ずさみつくす
千尺の譜が坑道に尽きてゆく
苦にするものなくてほどかれる象形
雲ひとつ無い空にドアを閉めていく
編み疲れてくらやみへ銅を運ぶため
くすりくさい夕焼けは理科室の拡張
ためいきに混ぜて第三の海も吐く
集結する紳士は指から開く花
瞑想の平行線下の紙飛行機
夜の部に神社が浮かび上がり中止
川への道閉ざされゆくあてのない機械兵
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