沈黙するノートに。 わたしは魚。銀色の鱗をいちまい、はがして 秋の流れにそっと放つ。の。 ぐらぐらする、まっかな秋だから。 つないだあなたの手は、はなさない。 あなたはくだものの、においがする。 よく熟れた南国のフルーツ。 夏のいいにおい。 まっかに熟れた。 でも。もう秋だから。 魂のフィクションの秋だから。 太陽は斜線に染まり、 女の子がセイタカアワダチしてしまう。 秋だから。 わたしはジャンプして、 飛び込む 水飛沫がおさまると 鮮やかな秋が ベールを脱いでいた。