まさゆめ/キメラ
 


ガードレールしたから日輪の渇きがきこえる
大日本中央玄関から地下室の銅線は溶けず
人波の側線でゆめのひびを考えていた
逢瀬の恐怖と喚起をもたらした10月の秋風に
センテンスの膨大な夕闇と声色をしたため
黒いワンピースが視界のなか揺らめく
脳髄から瞬間にセピアはめくり挙げられ
ゆびさきが冷たさを失った

秋風の御壕 スワンが餌付けをねらっているのだろう
対照的な時間枠や波紋を散らす数枚の落葉が
水面下のこどくな屈折ににじりこんでくる
物語のように焼きつき幾度となくふきあがる
噴水イオンの涼しげ
泣き出しそうな雨を待っていた
かたから冷たさがふるえながら
まるで
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