秒針とのコンポジション/前方後円墳
け前
ブルースクリーンの天幕に
今日の
一日の撮影が始まろうとしています
世界中の
あるいは
わたしだけの
(?)
朝食の涎と
蜜柑のつめたい果汁
その喉元で重なり合う瞬間に
目覚まし時計はとてもやさしく秒針を打っています
「こんな日は、
出掛けたほうがいいのかもしれない」
(そう こんな日でした
父はわたしを番の州に連れていきました)
幼い頃 頼りなく暖かい冬
(そう
幼い頃 嘘をついて母によく叱られました)
今でも嘘をつきますが叱られません
もう大人ですから
そんなネジ巻きの仕掛け
こんな日は出掛け
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