秒針とのコンポジション/前方後円墳
 
け前
ブルースクリーンの天幕に
今日の
一日の撮影が始まろうとしています
世界中の
あるいは
わたしだけの



(?)

朝食の涎と
蜜柑のつめたい果汁
その喉元で重なり合う瞬間に
目覚まし時計はとてもやさしく秒針を打っています

「こんな日は、
出掛けたほうがいいのかもしれない」

 (そう こんな日でした
  父はわたしを番の州に連れていきました)

幼い頃 頼りなく暖かい冬

 (そう
  幼い頃 嘘をついて母によく叱られました)

今でも嘘をつきますが叱られません
もう大人ですから

そんなネジ巻きの仕掛け
こんな日は出掛け
[次のページ]
戻る   Point(6)