/松嶋慶子
 
むなしい言い争いの末に
また 一人の夜が始まる
あの人は背を向けて去り
私は一人の夜と向き合う
何度繰り返されただろう
一人の夜の長く果てなく
終わりのないメビウスの
輪の上を走り続けるまま
力つきて息絶える時まで
この苦しみが続くのかと
あなたなど愛していない
あなたなど愛していない
あなたなど愛していない
何度繰り返して来た言葉
あなたなど愛していない
あなたなど愛していない


すなおになればいいのに


誰かがそうささやいている
聞こえない何も聞こえない
口が裂けたって言えない
言えるはずもないでしょう
何度繰り返して来た言葉
あなたなど愛していない
まるでだだっ子のように
繰り返して来た言葉に今
首を絞められていること

あなたなど愛していない

二度と並走しないレール
私一人メビウスに乗って



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