わたしの家に来るときは(お題)/結城 森士
 
わたしの家に来るときは
あなたは私を心から
好きだと言わなければなりません
そしてその後二人して
円い机で二人して
花瓶の花に浮かんでる
水滴について語り合いたい
窓の外はもう薄暗くて
いつも無数の手が
ガラス窓を激しく叩くのだけれど
あなたは怖がるわたしから
一歩も離れず傍に居て
傍に居て

何も言わずにそう言って
君は僕の前から姿を消した
………

わたしの家にくる時は
あなたは途中の道端で
楽しい話を摘んできて
わたしに片足傅いて
右手を優しく摘みあげて
わたしの肩に手を乗せて
お土産話をして欲しい

それから二人で散歩をして
タンポポの
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