ぬけがら/九谷夏紀
 
理のような気がして

見失い

得たものは

更に増えたぬけがら


ぬけがらでも困らない

私は今、生きている

しかし君が私に与えた

君のちからを

右手に感じ

不安になる

(このぬけがらは不要物)

と同時にぬけがらの気配も軽くなる

(脱却ははじまった)

私は

新たに出会った

つよく握られた右手を

せいいっぱい握りかえし

そのつないだ右手のゆくすえに

希望をつなげて

そのための今を変えて

未来につなげる






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