ナナコ他/青色銀河団
 
真っ白だったっけ

どうしてそうなのか
どうしてそうなのか
知らないけれど
幼いころ僕が描いた絵は
暗示が暗示のまま
形としてあらわれていた

あれから何年経ったろう
それでもぼくはまだ
水色の思考を持ちながら
そっと夜明けに耳を傾けている





***
群島


寂しいミノフスキーの宇宙を
透明なカラス(それはガラスでできた凍えた烏)
が 堕ちてゆく 真空のなかを
音もたてず 堕ちてゆく
(のを義眼でみつめる)義妹は
バスにゆられる
寂しい群島で ゆれる バス
の吊革は
寂しく ゆれて ゆれて
見上げる夕空は
どすぐろく


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