リリィ/キメラ
虹色をきみにこぼした
そらを云うほどは見上げてなかったから
ことばが透明な箱の中とうとつにうまれた
星色の媒介をみおくる
海をきくほどは閉ざしていなかったから
瓶をゆらした琥珀のひかりがまっくらに
散らばり
足跡を消し去ったえいえんと潮さい
こえを澄ましたままの清流が
桃色に染まりきったように
リリィ
こゆびつないで
どこかしらまでは
木々のざわめく暗い森を観て
いなくなってしまったの
かぜはうらぶれず恋人
スカーフをたなびかせ
ひやりとさすままに
どのくらいの硬直からたすけよう
リリィ
可憐で儚き一輪の
うえにはきっとひろがる
すませばまだなってる
とけこんだペルー糖のいろけ
ねいろが瞬時に死んだあの
あの街角で
まぶたのそばで夜をおさえて
リリィ
もうすぐたくさんの星のまんなか
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