君が消えたあとの闇/atsuchan69
斜め正面のテレビスクリーンは闇。
堺筋の渋滞とタクシーの列、闊歩する生活破綻者ども
「日本を離れて、暫くヴェネツィアで暮らすの
「さよか。えええやんか、自分。ごっつ格好ええわ
船場からふたたび御堂筋へ・・・・
「着いたで、
喫茶サザンクロスをやや行過ぎて停まるジャガーXK
「貴方は誰なのかしら。そしてもう逢えないの?
東京育ちだと自称する少女は降り立って運転席を覗く
「二度と逢われへん、俺は今だけのヤンチャな男やし、
いつか地獄の季節に・・・・それまで君が待っとったら別やけど
――ほな。行くわ、さいなら。
君が消えたあとの闇が、たちまち襲う
ああ、一方通行のためUターンも出来やしない!
戻る 編 削 Point(5)