君が消えたあとの闇/atsuchan69
遠く、波の音が消えたあとの闇にまぎれて
ただ疲れて坐る君はまだ 何処か子供で
覚えたての歌を ぎこちなく口ずさんでは、
助手席で夢見るように話す「ポリアモリーの街
つまりファッションや音楽、インテリアの類だろ?
ポルポトもナチスも知らずに 咥える、タバコ
それを無理やり奪って「ベトコンって知ってる?
――彼女は首をふり、「ベッドで合コン?
((( 笑いながら クルマはETCのゲートを通過する夜更け
フランス人形みたいに化粧した少女の放つ フレグランス
花の匂い、風のゆらぎ 瞬く瞳に映るのは
信号待ちで垣間見たショー‐ウィンドウのマネキン
午前2時を過ぎて走り出すのは
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